
我が子が体調を崩すのは辛そうで本当にかわいそうですが、共働き子育て世代にとってさらに困ってしまうのがインフルエンザ!『祖父母手帳』や『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』などの著書がある小児科専門医の森戸やすみさんに対策について教えていただきました。
毎年多くの人を困らせるインフルエンザ。「どうしたら予防できますか?」という質問はよく聞かれますが、そもそも子どもが風邪やインフルエンザにかからないための予防は難しいという現状があります。
生まれてからまだ数年しか経っていない子どもが、経験したことのないウイルスに対して抗体を持っていないのは当然です。そんな抵抗力が未熟な子どもにウイルスが入ったら、感染するのは仕方がないことなのです。
もちろん、手洗いや普段の健康管理、適度な湿度を守る、感染している人との接触をさけるために人混みや繁華街への外出を控えることや、睡眠や休養を十分にとってバランスのよい食事をするのに越したことはないですが、子どもは軽い感染症をくり返して成長するというくらいの気持ちでいたほうがいいかもしれません。
実際に、政府の広報に大人は10人に1人とありますが、子どもは毎シーズン5人に1人がインフルエンザになると言われています。
月並みなことですが、やはり有効なのはワクチンです。
ワクチンの効果は接種1ヶ月後にピークに達し、3、4ヶ月後に徐々に低下していき、長いものだと効果は5、6ヶ月続きます。ワクチンは毎年10月ごろに医療機関に届き、10月中旬ごろには多くの機関で接種できるようになりますので、とにかく早めに接種することをオススメします。
インフルエンザにはいろいろな種類があって、しかも変異を続けているので接種したら必ずかからないというわけではありませんが、だからといってワクチンを打たないでいいということでもないのです。
ワクチンのタイプが合わなくても、インフルエンザに感染してから発症を抑える効果、そして発症してから重症化を防ぐ効果があります。
インフルエンザでいう重症化とは、肺炎や脳症を起こすことなどを指します。40℃を超える高熱が出たとしても、それだけで重症というわけではありません。
入院したり死亡してしまうような重い病気を併発することを防ぐためにもワクチンは重要なのです。
普段の生活で気をつけることはもちろん、まずは医療機関へ行って家族全員でワクチンを打つことをオススメします。