
ラグビー日本代表キャプテン、リーチ・マイケル選手や細川たかしさんなど独特の切り口でセレクトしたモノマネや“なかなか言わないあるあるネタ”で人気を博すお笑いコンビ「レイザーラモン」のRGさん。私生活では中学校2年生の息子を持つパパでもあります。今回はそんなRGさんのパパとしての魅力に迫ります。
―子どもが産まれた時、すぐにパパとしての意識は芽生えましたか?
今でも“パパ”という気持ちはあまりないですね(笑)。
結婚して子どもが産まれる前に、二人で犬を飼っていたことがあるんですけど、それが子犬から飼い始めたので言うことも聞かないし、しつけもとても大変でした。今考えると、その経験をそのままスライド出来たような感じがします。
むしろ、犬の方が大変でした(笑)。
息子が5歳くらいになってからは、友達というか、弟に近いような感覚です。中学生になった今でも一緒に肩を組んで歩いたりしていますが、昔からそういう仲間のような関係です。
―じゃあ、割と順調に育ってきたという感覚ですか?
いえ、小さい頃は結構悩むこともありました。2,3歳の頃ですかね。理由は今でもよくわかりませんが、息子はちょっとしたことですぐに吐いてしまう子どもだったんです。ご飯を食べてちょっと運動すると急に戻してしまったりするのはしょっちゅうでした。
これは本当にどうしたらいいのかわかりませんでした。病院に連れて行ったりいろいろなことをしましたが、解決できなくて。でも、幼稚園に通うようになってしばらくしたら吐かなくなったんです。
そうしたら今度は太り始めました(笑)。
そうなると、なんだか吐いていた頃が懐かしくなりましたね。でも、この悩んだ経験は大事でした。その後になっていい思い出になると実感しました。お笑いの世界にいると、日常的にいろいろなことが起こりますが、先輩たちはそれをことごとく面白くしていく。そういう姿を見てきたことは、子育てに役立っていると思います。
息子が骨折して病院に駆け込んだり、いろいろなことがありましたけど、今ではそれを笑い話にしています。それはお笑いの世界にいて本当に良かったと思っています。
―息子さんはパパについてどんな風に思っているんでしょうか?
すごく応援してくれています。きっとその辺りは妻が言ってくれているんだと思いますけど。
印象に残っているのは、2013年に、僕たちレイザーラモンが「THE MANZAI」の決勝に進出した時のこと。もちろん決勝はテレビでやっていて、当時小学校2年生だった息子はそれを妻と僕の両親、つまりおじいちゃんおばあちゃんと一緒に見ていたんですが、結果は審査員から一票も票を得られず、言ってみれば惨敗してしまったんです。
電話をしてきた僕の両親が息子に、まあ少し気まずい雰囲気を和ませようと思って「パパ一票も入らなくてダメだね、情けないね」みたいなことを言ったらしいんですけど、それに対して息子は「いや、そんなことありません。あそこに出るだけですごいんです。パパは正々堂々頑張ったと思います」と。
あとで聞いたら、それだけではなくて、決勝当日は日直でスピーチをしなければいけなかったらしくて、学校ではクラスメートに「今夜、父がTHE MANZAIに出るので応援してください!」って言ったみたいなんです。
思わず、子育てうまくいってるな、って思っちゃいました(笑)。
自分の仕事をそんな風に思ってくれているのは本当に嬉しかった。お笑いの仕事って得てして“すべったな”とかそういうところをピックアップされることが多いと思うし、息子もきっとそういうことを言われたりして嫌な思いとかしていないかなと思っていたんですけど、そうじゃなかったみたいで。
ただ、なんであんなに熱くなってくれたんでしょうね? もうちょっと軽い気持ちで見てくれた方がこっちも気が楽なんですけどね(笑)。
照れ笑いを浮かべながら、THE MANZAIのエピソードを話すRGさんは本当に嬉しそうでした。自分が真剣に取り組んでいるお笑いという仕事に対して一緒になって熱くなってくれる息子さん。すごくいい関係であることが伝わってきました。次回は、そういう関係を築くとこまでたどりつけなかった、今は亡き長女のことについてです。
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「パパを応援してください!」長男が学校で言った理由とは~レイザーラモンRGインタビュー【Part1】
今は亡き長女に捧げた生きた証~レイザーラモンRGインタビュー【Part2】
父と息子を繋ぐアメリカンな絆とは~レイザーラモンRGインタビュー【Part3】
若手芸人に知ってほしいクリスマスの親心~レイザーラモンRGインタビュー【Part4】
レイザーラモンRG
1974年熊本県生まれ。
大学時代にプロレスを通じて出会ったHGと1997年にお笑いコンビ「レイザーラモン」を結成。それぞれ独自のキャラクターを活かしてソロで活躍しながらも、劇場などでは息の合った漫才を披露している。