
1年を締めくくる食事と言えば年越しそば。細く長いそばは健康長寿にいいと言われ、また切れやすいことから1年の災厄を断ち切る意味もあると言われています。今回はそんなそばを大晦日に食べるときの粋なお作法について、ルーツを東京の下町に持つ、パパコミ編集長がお伝えします!
こんにちは!パパコミ編集長の杉山錠士です。
今年も1年お疲れさまでした。さあ、最後は年越しそばで締めくくりましょう!僕は生まれこそ一本川を挟んだ千葉県ですが、親戚のルーツや育った時間は圧倒的に江戸、東京が多く、とくに浅草生まれ浅草育ちのじいちゃんにはしょっちゅう江戸っ子としての作法を聞かされました。
年越しそばは基本的に食べることが大事なので、作法はそれほど気にしなくてもいいものかもしれませんが、どうせならちょっと粋な食べ方はどうでしょうか?とはいっても、江戸っ子の流儀には諸説ありますので今回はあくまでうちのじいちゃん式の流儀をお伝えしたいと思います。粋にそばを食べるパパってなんだかちょっとカッコイイ、と個人的には勝手に思っています。
まず、おそば屋さんに入ったら座る時にはもう注文。ルールがありませんが、じいちゃん曰く「せっかちな江戸っ子からすると、そば屋に長居をするのは粋じゃない」ということで、基本的に何を頼むか迷うことは許されませんでした(汗)。
じいちゃんが頼むのは決まって「天ざる」。これも温かいと食べるのに時間がかかるからだとか。もうどこまでせっかちなんでしょうか。
そばが出てくると、まずはそばつゆにつけずに数本。そばの風味を味わうためだそうです。このときだけは割とゆっくり口の中で味わいます。
ここからはもう有無を言わさずどんどん食べます。
ただし、ルールが細かい。
一口目は、そばつゆに半分くらいつけて食べます。基本的にそばつゆにドブンと入れるのは野暮なのだそうです。
薬味を使うのは二口目以降。ただし、これもそばつゆには入れません。わさびとネギは少しとったらそばに乗せ、そのそばをつゆにつけて食べます。
やってみるとわかりますが、これはつゆに薬味をいれるのとはだいぶ味が違います。特にわさびの香りはダイレクトに伝わるので、とてもおいしい。また、こうすることで最後までそばつゆが薬味の味で濁ることはありません。絶妙な加減で味わい続けることができます。
ちなみに、天ぷらは別のお皿に入った冷たい天つゆに大根おろしとショウガを溶いて、こちらでいただきます。やはりそばつゆを濁らすことはなし。そしてこの方法なら熱々の天ぷらも躊躇なく食べることができます。
おそらく、到着してから5分と経たないうちにザルは空に。
仕上げはそば湯をつゆに入れて至福の時間。満足そうだったじいちゃんの顔を思い出します。
いかがでしたでしょうか?
江戸っ子のせっかちぶり(笑)、いや粋なそばの食べ方は?
もっとゆっくり食べたいという人もいると思いますが、それはそれぞれご自由にどうぞ。
そもそも年越しそばの食べ方にはルールはありませんが、パパが子どもと一緒に食べながらこうして粋な食べ方を伝えていくのも、年末の日本のいい風景なのではないでしょうか?
それでは、良いお年を!