
親から子どもに贈る最初のプレゼントであり、生きていく上でずっと付き合うことになる“名前”。本当に悩むところですよね。そこで今回は商品名やキャッチコピーを考えるスペシャリストにアドバイスをいただきました!「コピーライターが教える子どもを幸せにする名付けのコツ 想いのこもった名前を作れる!」の著者でコピーライターの清水章充さん!コツを教えてください!
2児のパパでもある清水さんは子どもが産まれるときに本屋さんに行ったり、ネットで名前について調べたりしたそうです。ところが、いわゆるいろいろな名前の例が載っている「名前辞典」的な情報はあるけど、名付けのノウハウについては語られていない。しかも、コピーライターである自分自身も不安だったそう。そこで、持っているノウハウをどうやって名前という表現に落とし込んでいくかを考え、さらに子どもを持つ130名のコピーライターを取材して体系化したそうです。
そんな中で、まず気がついたことは、コピーライターではない人は、いきなり「名前の候補」を考えているケースが多いということ。子どもの名前については、夫婦それぞれ思い入れや考えがありますが、いきなり考えた案を出し合うとぶつかってしまいがち。
清水さんは、まず「どんな名前にしたいか?」というそれぞれの考えを最初に夫婦で話し合うことで意思疎通を図ることが大切だと言います。これは、商品の名前を考える時に事前にコンセプトやアピールポイントなどを話し合ってから始めるコピーライターにとっては当たり前のことだと言います。
また、名前は複数の意味や想いを含めることができるので、それぞれの考えを反映できることも忘れずに、とのこと。言われてみれば確かにそうですが、意外と気がつかないことかもしれませんね。
とはいっても、やみくもに話し合っても進まないので、それぞれが持つ子どもの名前へのこだわりを4つのコースに分類しながら作ることがオススメ。ただ、考えていくうちに変わっていくことがほどんどなので、いつでも更新できる‟ゆるさがあるのが丁度いい“といいます。
夫婦それぞれが特にどこにこだわりのポイントを持っているかを出し合い、その両方を取り入れていくように名前を考えていくとすれ違いがうまれにくいそうです。
例えば清水さん夫妻の場合は、清水さんが「たくさんの人に幸せを与えられる人になってほしい」という「想い」を出し、清水さんの妻の「明るく元気に育ってほしい」という「想い」を共有。その結果、「太陽」の「陽」という漢字がどちらの想いにも一致するということを考え「陽一郎」という名前を長男につけたそうです。
一方、二人目である長女につけた名前は「ことみ」。これは清水さんの妻が「ことちゃんと呼びたい」という「呼び方」のこだわりと「自分の考えた“こと”で身(み)を立ててほしい」という「想い」に始まり、清水さん自身も「言葉(ことば)で友達を実らせるコミュニケーション能力を持ってほしい」という「想い」とミックス。やわらかさがあるひらがなの名前にしたそうです。
ある程度名前が決まったら、企業などの仕事では必ず行う“ネガティブチェック”も忘れずに。要は、我が子がこれから生きていく人生をシミュレーションしながら、その中でいじめられたり、結婚や就職の障害にならないかを、できる限り冷静に考えてみること。
清水さんによると、最近は、個性的すぎるいわゆる“キラキラネーム”が就職の際に障害になることなどが話題になっていますが、名前を考える時には、得てしてオリジナリティを求めがちで、個性的過ぎる名前になってしまうことも少なくないと言います。でもオリジナリティは大切にしたいと思っている場合、まずはオーソドックスな名前を考えてそこに使う漢字などオリジナリティをプラスしてアレンジする方法がオススメだということです。
名前はあくまで我が子のもの。親自身の自己表現ではなく、想いを大切にしましょう。