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答えを「探す」よりも「考える」人になってほしい~働き方評論家 常見陽平さんインタビュー②

育休をはじめ男性の育児を取り巻く環境がどんどん変わっている中で、これからの働き方は本当に変わるのでしょうか?そしてそういう時代を経て生きていくこれからの子どもたちに必要な力とは?『僕たちは育児のモヤモヤをもっと語っていいと思う』の著者で2歳のお子さんを育てている千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家の常見陽平さんのインタビュー第2弾です。(第1弾はコチラ

育休をはじめ男性の育児を取り巻く環境がどんどん変わっている中で、これからの働き方は本当に変わるのでしょうか?そしてそういう時代を経て生きていくこれからの子どもたちに必要な力とは?『僕たちは育児のモヤモヤをもっと語っていいと思う』の著者で2歳のお子さんを育てている千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家の常見陽平さんのインタビュー第2弾です。(第1弾はコチラ

働き方を変えるのは人手不足かもしれない

―働き方改革と言われてはいますが、本当に変わっていくのでしょうか?

働き方は時代とともにいろいろ変わっては来ていると思います。今は、昭和のように夫がとにかく稼いで威張っているような時代ではありません。むしろ妻が働かない方がリスクなんじゃないかと思うくらい、多くの仕事がこの先どうなるかわからないところがあります。そういう中で、定年延長に向けた法案も通ろうとしています。外国人労働者の拡大もそうですが、やはり今の日本は少子化に端を発した人手不足を受けて、なんとか労働力を確保しようと必死です。

私はこの人手不足こそが日本の労使関係や働き方を変えるんじゃないか?と注目しています。一部はAIが人間にとって代わるようなところもあると思いますが、それほどすぐには変わらないでしょう。人が足りないから増やせばいいなんて簡単なことでは解消できませんが、限られた人材でやりくりをしようとする中で何かが産まれるんじゃないか?という期待はあります。新しいことは、負の解消か解の追求からうまれるものです。

また企業にとっては従業員が辞めてしまうということが、今以上に大きなリスクに繋がります。すると企業と従業員という労使の対話が非常に大事になってくると思います。

これからの親と子に必要な力とは?

―常見さんが今、感じている子育ての楽しみってどんなことですか?

ちょっと月並みな答えになってしまいますが、3つあります。まずはやっぱり“娘の成長” 出張に行くといった少し離れた時間を過ごすたびに「こんな言葉話したっけ?」「こんな振る舞いしたっけ?」と思うことがあって、つくづく成長は早くてすごいなと感じますね。2つ目は、自分が子どもに食事を作るなどの家事をしたり、一緒にお出かけをした時に喜んでくれることです。もう単純にうれしいし、やっぱり喜んでもらうことをするって、大変だけどどこか報われるところがあるので楽しめますよね。3つ目は、ちょっと職業柄というところもあるのかもしれないけど、子どもを通して社会を見ることができるのは楽しいですね。今までの自分とは違う見方や発見があります。例えばYouTubeにしても、すでに2歳の娘も楽しく見ていて、しかも、こっちが思ってもいなかったものに反応するんです、こんなものがうけちゃうんだ!という発見ですよね。

―では、子育てをしている上で大事にしていることはどんなことですか?

これから先、娘が何にハマっていくのか?どんな職業になりたいと言うのか?という 楽しみがありますが、そこで大事にしたいことは、可能性を信じることだと思っています。どんなことでもチャレンジしたいとかやりたいと思ったことは叶えてあげたい。自分が親にそうしてもらったことが良かったと思っているからです。そして、チャレンジを支える時に親に求められるのが「任せる力」だと感じています。それがが子どもたちに自分で考えるチャンスを作ることになると思っています。

あとは娘に、本当はこうじゃないか?と見る力、視点を見つける力は強くなってほしいと思います。要はルールを守る人よりも、壊す人や作る人というところですね。親バカかもしれないんですが、うちの娘はものすごくいろいろなことに気づくんです。新しいおもちゃとか家にあると敏感に気づく。それに記憶力がとてもいい、あとは面白いことに熱中するし好奇心が強いです。やっぱり好奇心は大事だと思うんですよね。

今は世の中の流れとして、全体的にどんなことにも正解を求める傾向があって答えを“考える”のではなく“探す”というところがあると思います。もちろん探すツールも強くなっていますし、合理的でもあります。失敗もしづらいと思います。ただ、やっぱり自分の娘には寄り道してもいいから自分で考えてほしいと思いますよね。失敗しない答えを探すより考える。その方が納得感を得られると思います。

共働き家庭が中心になったり、社会構造はすっかり変わったけれど、働き方や生き方はまだ過渡期にあって、十分に変わっていないように感じます。常見さんの話を伺っていると、その変化の中でも自分たちで考えて進んでいくことが、自分だけでなく子どもたちの未来を切り開いていくために大切であることを改めて実感しました。