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子どもの好き嫌い、やめさせないとダメですか?

我が子にはいろいろなものを食べて食事を楽しんでほしい!なのに、「これ苦手」と残されてしまうことも。そんな子どもの「好き嫌い」。一体どうしたらいいのでしょうか? Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生に伺いました。

我が子にはいろいろなものを食べて食事を楽しんでほしい!なのに、「これ苦手」と残されてしまうことも。そんな子どもの「好き嫌い」。一体どうしたらいいのでしょうか? Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生に伺いました。

相談

3歳の娘の父親ですが、好き嫌いが激しくて困っています。偏食をせずになんでもパクパクと食べてほしいと思うのですが、どうしたらいいのでしょうか?

回答

パパには苦手な食べ物はありませんか?

この相談は、たぶん子育ての悩み相談の1位か2位に来るのではないでしょうか?本当に多くのパパやママが対応に苦慮することです。決してパパだけがうまくいかないことではなく、またママは上手に対応できているということでもないのです。

それではもう一度相談をよ〜く見てみましょう。この相談ってとても面白いと思うのです。なぜなら「好き嫌い」をすること自体を否定的に捉えていますよね。「嫌いなもの」があることは良くないというのはわかります。しかし同時に「好き」なものがあることも否定しています。

なんでも分け隔てなく、パクパク食べる姿をイメージしているのです。「好きなものも、嫌いなものもなく、全部をきれいに食べること」を追い求めているのです。これって結構辛くないですか。

パパには「好き嫌い」はないのでしょうか?僕は昔から、そしていまだにピーマンが苦手です。どうもあの苦味が口に刺さる感じが、幼い時から苦手でした。給食もピーマンだけ残して、よく怒られていた思い出があります。さすがに大人になると、苦手でも食べることはできるのですが、積極的に食べようとは思いません。そんな苦手な食べ物がパパにも、何か一つ二つぐらいあるのではないでしょうか。

もちろん成長期にある子どもたちの食事は、本当に大切なものです。

食べることは、健全な心身を作り、すべての活動のエネルギーの元になるのですから。だからこそ子どもの栄養バランスを維持するために、様々な食材を使用し、工夫した調理法や多様な料理が作られるのです。パパもママも、日々本当に苦労しています。

しかし、子育てにおいては、その苦労や努力が全く報われないことが起きるのです。食事を食べてくれない、残されるというのは、親にしてみればなんとなく敗北感を感じます。別に何か食べる競争をしているわけではないのですが、きれいに食べてくれると本当に嬉しくて、次へのモチベーションに繋がります。

だからどうしても「きれいに食べること」「完食すること」に関心や思いが移ってしまいがちになります。気持ちはよくわかりますが、そもそも食事とはどのようなものでしょうか?

食事は「頑張るもの」ではない

少し大げさになりますが、食事をとるということや行為自体は、そのまま「生きる」ということです。人間の、というか、生物としての根源的な欲求です。飽食の時代と言われる現代の日本社会においては、なかなか意識しないかもしれませんが、食べることによって生きていくことができるのです。

そのように考えてみると、食べること、食事はとても楽しいもののはずです。ダイレクトに「生きる」ということを感じられる瞬間でもあります。赤ちゃんのミルクを飲んで満たされている顔は、その象徴でしょう。

つまり食事は「頑張るもの」でもなく、まして「我慢する」「無理してでも努力するもの」などではないはずです。その根源には、生きていくための喜びとしての食事という価値観や意識が必要なのです。

だから、多少の好き嫌いや偏食はあっても良いと思います。

昔のように食材や方法がなくて、栄養のバランスが取れないということはありません。栄養面だけを考えれば、様々な方法が今はあります。だから好き嫌いを直すことに執着するのではなくて、家族で楽しく、そして生きていることを感じられるような食事にしましょう。

そのためには、家族で楽しく食事が出来る環境や時間を整えることが一番大切だと思います。