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ママはブチギレ!娘は号泣!そんな時のパパのふるまい方

「ママと娘の激しいやりとり、パパにとってはアンタッチャブルなもののように感じてしまうところですが、だからこそパパとしてなんとかしたい!いい方法はあるんでしょうか?
今回はそんな悩みについて「アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本」の著者で“ミスター共感ファースト”熊野英一さんに答えていただきます!

「ママと娘の激しいやりとり、パパにとってはアンタッチャブルなもののように感じてしまうところですが、だからこそパパとしてなんとかしたい!いい方法はあるんでしょうか?
今回はそんな悩みについて「アドラー式子育て 家族を笑顔にしたいパパのための本」の著者で“ミスター共感ファースト”熊野英一さんに答えていただきます!

相談

妻が娘のことを怒りすぎるのが心配です。妻はスポーツをしていたせいか普段から活発なタイプで声も大きいです。
そこはとてもいいところだと思うのですが、娘が何かいけないことをしたときに全力で叱りすぎているのが気になっています。
確かに間違いを指摘するのは大事なのですが、終わった後の娘のへこむ姿を見ていると辛くて。こういう時、私はどうフォローしたらよいでしょうか?

回答

今回取り上げるお悩み、まさに「子育てお悩みあるある」の代表的なものですね。

夫婦であれ、親子であれ、職場の人間関係であれ、ハッピーな対人関係を構築するには「自分の価値観を大切にしつつ、異なる他者の価値観も尊重する」ことが必須となります。それでは、妻と娘、双方に対するフォローの仕方について考えてみましょう。

Don’t think. Feel!

日本の戦国時代の武家や、大昔のヨーロッパにおける王家間の、当人の意向を無視した「政略結婚」ならいざ知らず、現代の夫婦は、お互いに惹かれあうところがあったからこそ、自分たちの意思に基づいて結婚することを選択したはずです。でも、もとは他人同士の夫婦です。家族とは言え、全ての価値観がぴったり!とは、なりませんよね。

ここはひとつ、自分の正義や価値観は、そっと横において。まずは、相手に関心を持って、まるで幽体離脱して相手に憑依するくらいの気持ちで、妻の「怒り」を感じてみましょう。

ブルース・リーの名言「Don’t think. Feel!(考えるな、感じろ!)」を思い出して。妻の目でその状況を見て、妻の耳で娘との対話を聴き、妻の心で感じてください。

これを、私は「共感ファースト」と名づけています。

妻の怒りの前にあるものを探ろう!

あなたの価値観からすれば、娘にそこまで強い怒りをぶつけるという妻の行為に「同意」はできないかもしれません。そのことは、あとで伝えれば良いのですが、まずは「共感ファースト」してみると、妻なりの正義や価値観に気づくことがあるでしょう。

娘に立派に成長してもらいたいと願っている。娘に礼儀を学んでほしい。勉強や習い事などで成果をあげて達成の喜びを感じてほしい。

娘が嘘をついたり言い訳したりするような人になって欲しくない。それなのに、思い通りにならない!イライラ!のようなイメージが脳内に湧いてきましたか?

怒りは「二次感情」と言われます。つまり、怒りに至るその前に「落胆、心配、不安、寂しい」と言った「一次感情」があり、それが溢れ出た結果として「怒り」になっている、ということです。

「怒っている人」は、「一次感情をうまく伝えられずに、困っている人」と捉え直してみてください。そうすれば、「そんなヒステリックに怒っても、しょうがないだろ!」などとダメ出しをして、事態を炎上させるような愚かな選択をしなくなります。

そして、「どうしたの? 娘の言動のどんなことに困っているの?」と「共感ファースト」をベースにした、適切なヒアリングをすることができるようになるでしょう。

このような丁寧なコミュニケーションができるようになると「娘に成長を期待するその気持ちには共感できるよ。でもその気持ちを伝えたいなら、怒るよりも、効果的な方法があるかもね」と伝えられます。

コミュニケーションの起点に、いつも「共感」を入れることで、その次に、自分の価値観に基づくアイデアを妻が「素直に聞いてみよう」と思える状況を作れる可能性が広がるということです。

娘にも共感することが大切

妻から感情的にこっぴどく叱られて、へこんでいる娘をどのようにフォローすれば良いでしょうか?ここでもまずは「共感ファースト」を適用して、娘なりの正義や価値観に注目し、ありのままの娘の気持ちを受け入れてみましょう。

親としての評価・ジャッジは必要ありません。まずは、インタビューに徹して、娘が「充分に聴いてもらった」とスッキリするまで聴き続けるのです。その上で、満足した娘に対して「では、今度は、ママの気持ちに共感してみたら、ママのどんな気持ちに気づく?」と、娘が母に「共感ファースト」することを提案してください。

「怒り」という感情を使って他者を操作することは、アドラー心理学では稚拙な行動であるとみなします。「あなたがそんなことしていたら、ママが怒るのもしょうがないよね」などと、妻の怒りを正当化するような説得はオススメしません。

そんなことをしていると、やがて娘も自分の気持ちを相手に分からせるために怒りを使うことを正当化するようになります。これでは、ハッピーな家庭は遠のくであろうことは容易に想像できるはずです。

さて、今日お伝えしたポイントは、職場でも使うことができることにお気づきですか?すぐに感情的に怒る上司は、「一次感情を伝える術を知らずに、困っている上司」です。

すぐにクレームしてくる取引先や顧客に対峙した場合も、こちらが感情的になって大人げない主導権争いをしなくてすみます。また、相手の感情に押し込まれて言いなりになることもなく、冷静に「何にお困りですか?

こちらにわかってほしい気持ちを落ち着いてお話しください」と伝えることができるようになるでしょう。

自分自身が怒りっぽいと認識している方は、ご自身の怒りの手前の一次感情を探る練習を今日から始めてみましょう。

イラっときたら、深呼吸。「落胆?不安?心配?寂しい?・・・」ご自身の一次感情を冷静に伝えることができるようになったら、きっと子どももそれを真似して、癇癪を起こしたり、わがままに泣きわめいたりするようなことをやめていくはずです。