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オーダースーツのプロに聞いた、絶対に失敗しないスーツの選び方

スーツをかっこよく着こなしたい、パパの中にはそんな憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。スーツ姿はビジネスの場でも印象に残りやすいだけに、その装いでは失敗したくないもの。そこで、オーダーメイドスーツを手掛ける工房設営型サロン「Fianco」のオーナーフィッター 原毅郎さんに、絶対に失敗しないスーツ選びと装いのコツを聞いてみました。

スーツをかっこよく着こなしたい、パパの中にはそんな憧れを持っている人も多いのではないでしょうか。スーツ姿はビジネスの場でも印象に残りやすいだけに、その装いでは失敗したくないもの。そこで、オーダーメイドスーツを手掛ける工房設営型サロン「Fianco」のオーナーフィッター 原毅郎さんに、絶対に失敗しないスーツ選びと装いのコツを聞いてみました。

ジャケットを格好よく着こなすための5つのルール

原さんによるとビジネススーツを着こなすだけなら、特にセンスはいらないそうです。というのも、スーツの着こなしにはいくつかのルールがあるので、それを守れば誰もが見栄えのする格好になるのだとか。

そこで、スーツの着こなしで気を付けるべき、必要最低限のルールを原さんに聞いてみました。

【ジャケットのルール】
① Vゾーンは1柄2無地まで、色の組み合わせは3色以内
② スーツは肩で着る
③ ジャケットの袖から出るシャツの長さは1~1.5センチ
④ ラペル(襟)の幅は8~9センチ
⑤ 一番下のボタンは外す

原さんによるとVゾーン――ジャケットの胸元、およびそこから覗いたシャツ、ネクタイに柄物を使いすぎると、砕けた印象が強すぎて、ビジネスの現場には不向きだそうです。柄を取り入れるなら、まずはネクタイから。それも、規則正しく並んだ小紋柄などが、ビジネスにふさわしい落ち着きを演出できるのだとか。

なお、「スーツは肩で着る」という言葉があるように、ジャケットのサイズは肩幅で選ぶのが基本だそうです。

「日本人は子どもの頃に、『背が伸びても着れるように』とオーバーサイズの制服を着慣れてしまっていますが、少し窮屈なぐらいのジャケットを選ぶとよいでしょう。触ってみて肩が余っているようなジャケットを着ると、だらしない見た目になってしまいます」(原さん)

その他の注意点としては、腕を楽に下ろした時に、袖からシャツが出ている方がスマートに見えるので、1~1.5センチは出るような着こなしにすること。ラペル(スーツの下襟部分)は一昔前に細いものが流行りましたが、本来はビジネスシーンには不向きだそうです。

そして、「アンボタン」といって、一番下のボタンを外すのがスーツにおける決まり事です。今回の原さんの装いはスリーピースのため、ジャケットのボタンは全部外した上で、ベストの一番下のボタンを外しています。

【豆知識】
お腹周りが気になるパパも、スーツは肩で選ぶべき?

年齢と共に体型をキープするのが難しくなってきたというパパもいるかと思いますが、それでもスーツは肩幅で選ぶべきだと、原さんは話しています。
「腹回りを変に隠そうと、オーバーサイズのジャケットを着るよりは、体型に沿ったジャケットを着る方がキレイに見えます。スーツはきちんと着こなせば、それらしく見える不思議なアイテムです。必ずサイズに合ったものを選びましょう」(原さん)

シャツは首回りのサイズ感が重要

続いて、Vゾーンを構成するシャツとネクタイのルールを掘り下げていきましょう。

【シャツのルール】
・シャツは首回りのサイズで選ぶ
・ボタンダウンのシャツはスーツではNG

シャツは襟周りがブカブカだとだらしなく見えるので、指1本がギリギリ入るぐらいのサイズ感が良いそうです。なお、ボタンダウンのシャツは発祥がスポーツということもあり、カジュアルな印象が強いので、あまりスーツには向かないのだとか。

【ネクタイのルール】
・ネクタイはスーツと同じ色味でやや濃いものに
・ネクタイはディンプル(くぼみ)を付けて結ぶ

ネクタイはスーツと素材感が違うと浮いてしまうので、例えば光沢のあるジャケットであれば、同じく艶のあるシルクなどのネクタイを合わせると良いでしょう。その上で、ジャケットよりも濃い色にすると、Vゾーンの中心が引き締まって安定感が出るのだとか。

【豆知識】
スーツに最もマッチしたネクタイの結び方とは?

スーツにおけるネクタイの結び方としては、セミウインザーノットが断然良いと原さんは話しています。その理由は以下の3つです。

1.左右対称の結び目が美しい
2.適度な結び目のボリュームになる
3.ディンプルを作りやすい

【セミウインザーノットの結び方】

ネクタイが長すぎる場合は、小剣をズボンの中に入れるのもOK。ちなみに、ネクタイピンはなくても良いとのことですが、ネクタイを盛り上げることで、首元を立体的に見せることができるそうです。スーツは立体的に見せることが重要とされており、胸元を持ち上げることで、新たな表情を生むことができます。

革靴は「ストレートチップ」かつ「内羽根式」が基本

下半身の装いにおける、基本的なルールは以下の通り。

【パンツと靴のルール】
・パンツと靴はなるべく色の濃いものを選ぶ
・スーツと合わせる靴の基本型は「ストレートチップ」かつ「内羽根式」
・靴下は靴とズボンのうち、濃いものの色に合わせる
・靴とベルトは色と素材をそろえる

重力に従って配色を濃くすると安定感が生まれるので、ビジネスシーンでの装いであれば、パンツや靴は濃い色のものを選ぶと良いそうです。これを反転させるとオシャレに見えますが、あまりビジネスシーンにはふさわしくないのだとか。

一方、靴を選ぶ上で注意すべきは、そのデザイン。「ストレートチップ」とはつま先に一本の線が入ったもの。「内羽根式」はシューレース(靴ひも)を通す金具が付いた腰革というパーツが、甲の下に潜り込んだものを指します。スニーカーのように腰革が一番外側に来たものは「外羽根式」といい、「内羽根式」よりカジュアルな装いになるそうです。

ちなみに、シューレースが付かない革靴では、ストラップ付き、スリッポンなどがありますが、これはさらにカジュアルな装いになるとのこと。ただ、日本では家にあがるときに靴を脱ぐ習慣があるので、お客様を待たせないという意識から、シューレースの無い革靴を選ぶということは考えられるそうです。

【豆知識】
パンツの丈直しで注意すべきポイントは?

パンツの丈は靴の甲に当たらない長さをノークッションといい、甲へのかかり方とシワのでき方によって「ワンクッション」「ツークッション」などと呼び方が変わります。このうち、パンツが靴にぎりぎりかかるぐらいの丈を「ハーフクッション」といい、スーツにおけるパンツ丈では、これが基本となる長さだそうです。

ちなみに、この日の原さんのスーツ姿は、フォーマルな場を意識した装いで、Vゾーンは全て無地かつ2色で構成。スーツとネクタイは濃いネイビーで、色が濃いほど固い雰囲気を醸し出せます。なお、ネイビーはビジネスシーンにおける最も定番の色使いとされ、誠実感もアピールできるので、最初の一着に選ぶにはオススメなのだとか。

チーフは白いリネン素材のものを、長方形に折りたたんだもの。この折り方はTVフォールドとよばれ、ビジネスシーンであれば、基本はこの折り方で大丈夫だそうです。チーフをするのは気恥ずかしいという人もいるでしょうが、「あった方が引き締まる」とのことで、一度試してみてはいかがでしょうか?

【豆知識】
“ビジネスで黒スーツ”はワールドワイドではNG?

日本では黒のスーツが好まれる傾向がありますが、欧米で黒無地というのは葬式や格式の高いパーティーなどでの着こなしとなっています。あまりビジネスの場には用いられないので、海外での商談などでは注意が必要です。

グレー×アズーロ・エ・マローネの組み合わせも鉄板

続いて、原さんにもう少し砕けたコーディネートを提案してもらいました。

こちらはビジネスではネイビーの次に標準とされるグレーを基調とした装いです。シャツはサックスブルーという淡い青色で、フォーマルな印象を和らげ、都会的にバージョンアップさせるアイテムなのだとか。そしてブラウンに緑の小紋柄のネクタイ。この鮮やかな青と濃いブラウンの組み合わせは、イタリアでは「アズーロ・エ・マローネ」といい、スーツにおける鉄板の組み合わせとなっています。

【豆知識】
ビジネスシーンにおける定番の色使いとは?

ビジネスシーンにおけるスーツで使うべき色は、主にネイビー、グレー、ワインレッド、ブラウンの4色。さらに小物を黒で引き締めるのが、ビジネスにおける定番といえるでしょう。

ところで、今日の原さんのジャケットはラペル(下襟部分)の形がかなり個性的ですが……。

「これはピークトラペルといって、尖った下襟が特徴的なデザインです。『SUITS/スーツ』というドラマの中で織田裕二さんが着ていたこともあり、ここ1、2年の流行になっています。同時に丸みを帯びたショールカラーでもあって、一見グレーの無地ジャケットかと思いきや、実は遊び心のある装いとなっています」(原さん)

革靴はネクタイに合わせた濃いブラウン。「外羽根式」でほんのりカジュアルな装いとなっています。

今回のスーツにおける色やスタイルの組み合わせは、「誰もが着こなせる再現性の高いもの」だと原さんはいいます。スーツを仕立てる時には、ぜひ売り場でこの組み合わせを試してみてはいかがでしょうか? 「頼れるパパ」「カッコいいパパ」というように、家族からのイメージアップにつながるかもしれませんよ。