
大人も子どもも一緒に楽しめて、自宅でもできちゃう「なわとび」。
今回はなわとびに関するギネス記録を10個更新した日本で唯一のプロ縄跳びプレーヤー「生山ヒジキ」さんに「上手に跳べるようになりたい!」という子どもたちに伝えたい上達のコツを教えていただきました。
家で過ごす時間が多くなったことで、最近驚くほどになわとびが売れているようです。某大型ディスカウントストアの店頭に、在庫切れのものとして「マスク」「消毒液」などと並んで「なわとび」と書かれていた時はビックリしました。
私は、プロ縄跳びプレーヤーとしての活動で多くの小学校や保育園におじゃまして、なわとび教室をおこなっているのですが今回はその中で伝えている上達するコツや練習についてお伝えさせていただきたいと思います。
まだ道具を使って遊ぶことに慣れていない3歳から4歳くらいの子どもにとって、なわとびはなかなか難しい運動です。なので、最初はなわとびに慣れてもらうためにいろいろな遊びをすることから始めます。「アンパンマンのマントのように後ろに持ってひらひらしてみよう!」とか「ジャムおじさんのエプロンみたいに前に持ってひらひらしてみよう!」と言って思い思いに動かしてもらったり。これだけでも道具を扱う練習になります。
また、形を理解している子たちには「縄で丸を作ってみよう!」とか「三角を作ってみよう!」と言って、形を作ってもらってその中に跳んで入ったり出たりして縄を飛び越える練習をしたりします。
たまに「よーし!今度はバツを作ってみよう!」と声をかけることもあります。大人からすると「そんなのムリだよ」と言うかもしれませんが、子どもたちは豊かな発想を持って作ってくれるんです!これはなかなか面白いのでぜひ試してみてください。
先ほども小さい子どもたちになわとびは難しいと書きましたが、なぜ難しいのでしょうか?それは「手で縄を回すこと」と「縄を飛び越える」という複合的な動作が必要だからです。しかも、跳ぶ動作と縄を振り下ろす動作は上下ベクトルが逆。これは本当に難しいのです。
そこで必要になるのがパパやママ、皆さんの協力です。
まず親が縄を持って、子どもと向かい合って立ってください。その状態で子どもにはシャツの裾を持ってもらいます。子どもには縄は見えない状況ですが、これでゆっくりなわとびをするんです。
こうすると縄を回している大人はタイミングを合わせて跳ぶので、子どもよりも少しだけ早いタイミングで跳ぶ形になり、その時に子どもは裾に引かれて跳びます。子どもは裾につかまることが縄を下に振り下ろす練習になるんです。
こうしてタイミングを学んでいくうちに手を下ろしながら跳ぶという動作ができるようになってくるので、上手に跳べるようになることがあります。
小学校2年生から3年生くらいにかけて「二重跳び」というなわとびの一番の壁が待っています。
これをクリアするには、もちろん練習が必要ですが、まず2つのポイントをチェックしてください。
一つ目は、持ち手の持ち方です。
一番よく回せる持ち方は、親指を立ててグーを握る、つまり「いいね!」「GOOD!!」のサインをしている状態で、持ち手を握る形です。我々はこれを「親指持ち」と言っています。
そして二つ目は、トビナワの長さです。
学校などでなわとびを教えていると、体に合っていない長さのなわとびを使っている子を多く見かけます。たいがい縄が長かったりします。適切な長さの目安は片足を前に出して縄を踏み、持ち手を引き上げた時にみぞおちのあたりにくるくらいの長さです。
考えてみれば当たり前のことですが、長いものよりも短いものの方が速く回るので跳びやすいのです。短い縄に変えただけで二重跳びができるようになった子もよく見かけます。
子どもの成長は早いので、買い替えるのがもったいないからちょっと長めでもいいかなぁと思って用意する気持ちもわかりますが、そこはお子さんのなわとび上達のを優先していただき、ぜひ体に合ったサイズのものを買ってあげるか、しっかりと調節をしてあげてください。
子どもがもっとなわとびが上手になりたいと言ったら、持ち方となわとびの長さのチェックをお願いします!
<トビナワの長さの解説動画はコチラ>