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日本人専業主夫がウィル・スミスと共演!?~『Dads 父になること』裏話~

先日、動画配信サービス「Apple TV+」で父親を題材にしたドキュメンタリー『Dads 父になること』が公開されました。オフィシャルサイトで「有名コメディアンから一般人まで。世界中から様々な父親の証言を集めた心温まるドキュメンタリー」と謳うこの作品に、日本から唯一出演している専業主夫、しゅうちゃんこと佐久間修一さんに出演に至った経緯や撮影裏話を聞きました。

先日、動画配信サービス「Apple TV+」で父親を題材にしたドキュメンタリー『Dads 父になること』が公開されました。オフィシャルサイトで「有名コメディアンから一般人まで。世界中から様々な父親の証言を集めた心温まるドキュメンタリー」と謳うこの作品に、日本から唯一出演している専業主夫、しゅうちゃんこと佐久間修一さんに出演に至った経緯や撮影裏話を聞きました。

普段なら出ないはずの電話に出たら・・・

NPO法人ファザーリング・ジャパンに所属し、普段から父親支援の活動をしている東京都在住のしゅうちゃん。専業主夫歴は22年を数え、現在では8歳の息子さんを子育て中です。いまだ日本においては少ない専業主夫ですが、とくに海外での活動をしていたわけでもないのになぜ、このドキュメンタリーに出演することになったのでしょうか?

「最初に連絡があったのは2019年1月のことでした。スマホのディスプレイに着信があったのですが、普段だったら見知らぬ番号には出ないのに、なぜかこの時は出たんですね。そしたら『アメリカのドキュメント映画のキャスティングコーディネーターです』って言われて。

あまりに突然だったこともありましたけど、とにかく聞いたことがないようなことを言われたので正直何を言ってるのか分からなかったです(笑)。

今までの新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどいろんな媒体の取材については、メールで来ることは多いのですが、なんで僕の携帯番号知ってるんだろう?と思ったのですが、ちょうど同じタイミングで所属するNPOのメーリングリストで父親に関するドキュメンタリーの出演者を探している、という発信を見ていたので、誰かが紹介したのかなと思っていました」

俳優やタレントでもない人が、突然キャスティングコーディネーターという人から、しかもアメリカ!とあっては理解が追い付かないのも無理はありませんよね。

ところが翌日、改めて来た連絡で意外なことがわかったのです。

実は最初から名指しだった

「次の日に改めて連絡があったので詳しく聞くと、アメリカのハリウッドの映画会社から頼まれた、日本のコーディネーターからで『しゅうちゃんにコンタクトが取りたい』と指名されていたとのこと。

当たり前のことですが、それにもまたビックリしました。なぜ僕には直接のオファーなんですか?とさらに突っ込んでみたら、どうやらプロデューサーと監督双方で、とある記事を読んで、興味を持ったらしく、ぜひ出て欲しいとのこと。

そこでやっと思い出したのですが、半年ほど前にアメリカ在住のライターさんから取材を受けていました。実際のところはその取材された内容がいつどこで公開されたかはまったく知らなかったので、またまたビックリしましたが、先方の反応は『あ〜、アメリカあるあるです』と苦笑いしていました。どうやらそういうことがよくあるようです」

その記事のタイトルは「Japan’s Vegetable-Eating Men」。直訳すると「日本の草食系男子」。タイトルのニュアンスはだいぶ違いますが、そこにはしゅうちゃんが専業主夫になった経緯だけでなく、日本の男性育児に関する様々なことがつづられていました。

ちなみにこの作品の監督はブライス・ダラス・ハワード。『スパイダーマン3』『ターミネーター4』『ジュラシック・ワールド』といった日本でも大ヒットした作品にも出演している女優さんでもあります。ちなみに彼女の父親は『バック・ドラフト』『アポロ13』『ダ・ヴィンチ・コード』のメガホンを取り、オスカーも獲得している映画監督のロン・ハワードです。聞けば聞くほど驚きが止まらなかったことが想像できます。

とにかく、ビックリするようなことが続きましたが、シンプルに面白そうだなと思ったしゅうちゃんはオファーを受けることにしました。

普段通りに・・・難しい

事前の様々なやりとりを経て、アメリカからクルーが来日。密着取材やインタビューといった撮影が行われたそうです。ハリウッドの撮影は何かが違うのでしょうか?

「日本の撮影もそんなに受けたことがないからわかりません(笑)。ただ、アメリカから来ているので日程も限られているだろうし、その辺は気を使いました。そんな中で、息子が取材の前日に熱を出すハプニングもあったときは肝を冷やしました。

ドキュメンタリーなので、過剰な演出はなく『とにかく普段通りに』とは言われましたが、これがなかなか難しい。ただ、数日掛けて取材をしてくれたので息子も含めて次第に慣れていきました。クルーは全員パパだったのでお互いの子どもの話をしたり、本当に楽しかったです。

早朝から家にやってきて朝食づくりを撮影するところからはじまり、保育園への送り、お買い物の様子、お風呂や夕食、本当に寝るまで密着されました。保育園では若い保育士さんたちが、どっちが対応するか?ノリノリでじゃんけんしていました(笑)。

印象的だったのは、撮影が終わった後に、息子のことを気に入ってくれたクルーたちからゲーム機を買いたいためにお小遣いを貯めていた息子にささやかな寄付をしてくれたのです。海外の人たちに囲まれて過ごすこと自体がとても貴重でいい経験だったと思いますが、息子はこのことで寄付のことを理解して、今でもどこかで募金をしているのを見ると自分のお小遣いから寄付するようになりました。

自分にとってもそうですが、息子や妻、家族にとっていい経験になったと思います」

専業主夫としてひたすらに家族のことを支えてきたしゅうちゃん。主夫になった20年前にはまさか自分がハリウッドのドキュメンタリーに出るとは思ってもいなかったでしょう。ちなみに、Apple TV+のオリジナル作品に出演した日本人はしゅうちゃんが初めてとのこと。思わぬ形で歴史に名を刻んだようです。

次回は、監督たちがしゅうちゃんに注目することとなった記事にも書かれた主夫になった経緯について、お伝えします。

<Dads 父になること>
https://tv.apple.com/jp/movie/dads/umc.cmc.5voyewgcndqj0a3i9mp7hbloq?l=ja
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※初回加入時7日間は無料です。

また、2019年9月以降にApple製品を新規で購入した人は1年間無料で視聴できますが、Apple製品でしか見れないことはなく、WindowsのPCでもブラウザを経由して視聴できます。また、Fire TV Stickでも対応しています。ご自身のご都合に合わせてご視聴ください。

▼予告編はコチラ