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難病発覚で専業主夫に!?ハリウッドスターに注目された日本人専業主夫とは~「Dads 父になること」裏話 その2~

先日、動画配信サービス『Apple TV+』で公開された父親を題材にしたドキュメンタリー『Dads 父になること』。この作品に日本から唯一出演している専業主夫、しゅうちゃんこと佐久間修一さんには監督であるハリウッドスターからのラブコールがあったということですが、そのきっかけとなった記事に書かれた佐久間さんが主夫になった経緯を伺いました。

先日、動画配信サービス『Apple TV+』で公開された父親を題材にしたドキュメンタリー『Dads 父になること』。この作品に日本から唯一出演している専業主夫、しゅうちゃんこと佐久間修一さんには監督であるハリウッドスターからのラブコールがあったということですが、そのきっかけとなった記事に書かれた佐久間さんが主夫になった経緯を伺いました。

結婚して半年で突然の難病発覚

NPO法人ファザーリング・ジャパンに所属し、普段から父親支援の活動をしている東京都在住のしゅうちゃん。専業主夫歴は22年を数え、現在では8歳の息子さんを子育て中です。ひょんなことから『Dads 父になること』でハリウッドスターのウィル・スミスらと共演を果たしたわけですが、そのきっかけとなったのは監督やプロデューサーがある記事を読んだことだったそうです。(出演の経緯について詳しくはコチラ

アメリカ在住のライターが書いたその記事に書かれていたのは、しゅうちゃんがどういう経緯で専業主夫になったかということ。ハリウッドで活躍する人々からも興味を集めたその経緯とはいったいどんなものだったのでしょうか?

「もう22年前のことになりますが、当時、僕は30歳。妻は23歳でした。結婚して半年、これからというところで『サルコイドーシス』という免疫系の難病が発覚したのです。システムエンジニアとして月に120時間以上の残業をするような働き方をしていたので体調を崩すのはある程度、想像できるものだったのですが、まさか難病でほぼ寝たきりになるとは。

自分としても結婚したら一生懸命働いて稼いで妻や家族を養っていくものと考えていたのに、突然それができなくなった。そうなると、もう結婚していてもしょうがない。ましてや妻は若かったので、未来もある。そう考えたので、妻に離婚を切り出しました」

追い詰められたしゅうちゃんがとった苦渋の決断。すでにバブル期は終わってしばらく経っていましたが、まだ「男は仕事、女は家庭」という昔ながらの考え方が色濃く残っていた時代だったことがうかがえます。

結婚から半年で辛い現実にぶち当たったしゅうちゃんの妻はどんな行動をとったのでしょうか?

妻のグーパンチと涙

「いきなりグーで殴られました(笑)。そして、泣いていました。正直なところちょっと予想外な展開でびっくりしました。そして畳みかけるように妻に言われたんです。『私が稼ぐからあなたは療養しなさい!』って。男前ですよね(笑)。

そこまで言われてしまったら、いったんは従うしかありません。何せ体が言うことをきかない状態なので、まずはそこをどうにかしないといけないと。それからは体調と相談しながら家事などをして妻を支える日々が続きました。

ただ、自分ではやっぱりどうにも納得できないところがあったんですよね。夫が支えて、妻が働くスタイルは。事実としてそうするしかないとわかっていても意識がついていかないんです。だから、その時は、とにかく早く復活して、社会復帰することが目標でした。だから家事や買い物もスーツを着て行っていました。病気になる前と同じように朝起きたら身支度を整えてスーツを着る、そうしないと落ち着かないんです。

昼間の買い物にスーツで行けば、周囲からは『仕事の合間に買い物しているんだな』くらいに思ってもらえるじゃないかと。今思えばとても非効率なことなんですが、そうやってメンタルを保っていました」

わかってはいても受け入れられない現実との葛藤。今でこそ笑顔で語っていますが、その辛さは想像を絶するものだったと思います。果たして、どうやってその逆境を乗り越えたのでしょうか?

トレードマークは決意の証

しゅうちゃんのトレードマークは金髪。彼と出会った多くの人は、その印象を強く持っています。そして、この金髪こそが葛藤を乗り越えた証でもあるのです。

「療養をはじめてから2年くらい経ったころだったと思います。おかげで体調もだいぶ落ち着いてきたのですが、同時に妻の収入がガンガン上がっていきました。もともと仕事ができる人だったのでなんら不思議なことではなかったのですが、その状況を考えた時に、自分が無理に社会復帰を目指さなくてもいいじゃないかと思うようになりました。

このまま妻を支えていくという選択肢が腹落ちした感覚です。そこで、その決意を固めるために髪の毛を金髪にして、『主夫』と名乗るようになりました。一般的な就職活動は金髪ではできませんから。

なんだかスッキリしました。その選択を受け入れてくれた妻にも感謝です。

精神的に落ち着くと、体調もさらに良くなり、普通に生活を送れるようになりました。そうすると次なる夢がわいてきます。ずっと欲しかったけど諦めていた子どものことです。でも、このスタイルで、どうやって子どもを産み育てていくのかは想像がつかなかったので、いろいろなケースをシミュレーションした上で、妻にプレゼンしたんです。『産んでいただけたらあとは育てます』というプランを(笑)。何度か却下されましたが、繰り返し続けたらようやく妻から了承を得ることができて、待望の第一子を授かりました。

結婚から10年以上経ってからのことです。僕は待望の父親になったんです。
産まれた時は今までで一番うれし泣きしましたね。

そして今、早いもので息子は8歳になりました。主夫として妻を支え、子育ても当然担っています。大変なこともたくさんありますが、動けなかったころのことを考えれば何でもないです。自分で育てると妻に言った以上はしっかり育て上げようと思いますが、子育てってなかなかうまくいかないですね(苦笑)」

誰の人生にも予想がつかないことがたくさん起こっているとは思いますが、ここまでとなると心がいつ折れてもおかしくなかったと思います。それでも諦めずに乗り越え、今を楽しんでいるしゅうちゃんだからこそ、すごい人の目に留まったのかもしれません。

しかし、それがまさかのハリウッドとは・・・本当に人生は何が起こるかわからないものですね。

<Dads 父になること>
https://tv.apple.com/jp/movie/dads/umc.cmc.5voyewgcndqj0a3i9mp7hbloq?l=ja
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▼予告編はコチラ