
毎日きれいに洗っているつもりでも、たまに見ると溜まっているおへそのゴマ。昔からあまりおへそはいじらない方がいいとか、おへそはきれいにしないといけないとか、いろいろなことを言われますが、実際はどうなのでしょうか?また、小さい子で時折見かける「でべそ」は治る?今回は『祖父母手帳』や『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』の著者で小児科専門医の森戸やすみさんにおへそについていろいろ教えていただきました。
まず、そもそもおへそのゴマと呼ばれるものは何なのかというと、垢や衣類のゴミです。くぼんでいるためにたまりやすく、放置しておくと固まってしまいます。その中には細菌もいますが、それほど神経質になる必要はありません。
産まれた直後、まだ乾いていないときはケアが必要ですが、退院して家に戻る頃にはもう大丈夫。お腹の中とつながっているわけではないのでおへそから悪いものが入ったりすることはありません。
ただし、おへそを指でいじったりして傷がついてしまった時には、化膿してしまったりすることがあります。きっと、このようなことが起こらないように、昔はおへそをあまりいじらない方がいい、と言われてきたんだと思います。
ですからおへそのゴマは、気になったら取るくらいで問題ありません。
お掃除をするときは綿棒を使うとよいでしょう。ベビーソープなどをつけてやさしくお掃除してあげてください。もし固くなってしまっている時はベビーオイルなどを使うとふやかすことができるので取りやすくなります。しかし、先ほども言ったようにおへその中をきずつけることは良くないので、全部取り切ろうとしてムキになることはやめて、清潔がキープできるくらいで問題ありません。
主に1歳くらいまでの赤ちゃんで、でべそが気になるという人がいます。そもそもでべそは「臍(さい)ヘルニア」と呼ばれ、お腹に何らかの圧力が加わったことで、おへそのところに腸の一部が出てきてしまっている状態です。
腸が出ているというと、びっくりするかもしれませんが、決してこれ自体が病気というわけではありませんし、これから何かの病気になってしまうというものではないので心配しなくても大丈夫です。
そして、多くの場合は元に戻すことができます。薬局やドラッグストアに行くと「綿球」というコットンでできたボールがあるのですが、これを使っておへその出ている部分を押し込んでテープや絆創膏で止めておきます。
お風呂に入るごとに新しいものに替える必要はありますが、そうしておくだけで早ければ1~2週間もすればおさまるのです。でべそになってきたら、早くに始めたほうが効果的です。
臍ヘルニアは放っておくとどんどん大きくなってしまうケースもあるので、気になったらできるだけ早く処置をするか、かかりつけの小児科や乳児健診の際の先生に相談してください。基本的には腹直筋などが発達してくる1歳くらいになると収まるケースが多いですが、その後も変わらない場合もかかりつけの小児科に相談することをオススメします。