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「かーしーてー」と言われたら「いーいーよー」と答えないとダメ??

子どもたちは成長する中でお友達との関係を築いていきます。その第一歩でもあるのが、おもちゃの貸し借り。「かーしーてー」と言われたら「いーいーよー」と快く答えてほしいところですが、時には、なかなかうまくいかないこともあります。Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生!こんな時、どうしたらいいのでしょうか?

子どもたちは成長する中でお友達との関係を築いていきます。その第一歩でもあるのが、おもちゃの貸し借り。「かーしーてー」と言われたら「いーいーよー」と快く答えてほしいところですが、時には、なかなかうまくいかないこともあります。Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生!こんな時、どうしたらいいのでしょうか?

貸し借りが成立するには条件がある

「かーしーてー」の答えは「いーいーよー」じゃなきゃダメですか?

と、聞かれたら、そんなことはないと思います。「いやよー」でも「ダメー」でもいいと思います。

お願いをされたら、何かそれに対して期待されている答えを返さなくてはいけないと思うのは、なんだかとても日本的なことですよね。つまり「忖度(そんたく)」です。相手の気持ちを慮(おもんぱか)り、それに見事に対応していくということです。

大人の場合などは、そのようなことが一つの美徳や、あるいは気配りとして評価されることもあります。相手のことをまずは大切に思うという、日本的な感覚の文化です。

しかし子どもの場合は少し違うと思います。「かして」に対して「いいよー」が成立するためには、いくつかの条件が必要です。

それは、
① 言葉によるやりとりができるということ
② お互いがある程度の関係性のある友達であること
③ 貸してあげた後にまた自分に返ってくるということが理解できていること

この3つが成立しているから、自分の持っているものや遊んでいるものを、お友達に貸してあげることができるのでしょう。
しかしまだ幼い子どもには、この3つが育っていません。

子どもにも断る理由がある

言葉が話せないときに自分の思いが溢れでてしまい、お友達のものを無理やり取ったり、また叩いて奪ったりすることがあります。もちろん大人から見れば適切ではない姿ですが、子どもの強い思いのゆえの行動です。その点はわかってあげてほしいと思います。

また子ども同士の関係性もまだまだ未熟なものです。自分の気持ちをコントロールして、我慢したり相手の思いに答えたりするのは、自分という存在を存分に発揮して成長してからで良いと思います。まずはきちんと「自己・自分」という存在を作り上げることが大切でしょう。相手の顔色ばかり見る必要はないです。

そして貸し借りができるということは、相手に対する信頼を持っているということです。貸してあげても、また返ってくる、あるいは今度は相手が貸してくれるという、人に対する深い信頼の中でできる行為です。これは大人になっても難しいものですよね。信頼感のない人にお金貸せないですからね。

子どもはまだまだ成長の途中の生き物であり、大人になっていくプロセスの中の存在です。その世界においては、単に大人から見て良い行動や行いばかりを求める必要はないと思います。育ちの中で大切なのは、自分の思いをしっかりと持つこと、そしてそれに基づいて行動ができるということです。

ついつい「他人に優しく」「みんなで仲良く」などのキャッチコピー的な正しさや、正義を求めがちですが、決してそんなことはありません。様々な経験を積み重ねて、大きくなった時に、それらがある程度発揮できるようになれば良いのだと思います。

大人の求める「正しい子ども像」「理想の子ども像」だけをよしとするのではなく、多様で生き生きと自己を発揮している子どもの姿が見たいですね。