
何気ない一言が相手をイライラさせてしまったり、自分がイライラしてしまうことってありますよね。アドラー心理学の熊野先生!こんな時はどうしたらいいのでしょうか?
共働き夫婦です。週末、妻に「休みの日くらいゆっくりさせて」と言われモヤモヤしています。二人とも働いているのに・・・。こういう妻とどのように折り合いをつけたらいいでしょうか?
まず「折り合いをつけたい」ということは、「なんとか、うまくやっていきたい」という前向きな気持ちがある、ということですね!
夫婦の関係改善には、こうした前向きな姿勢が不可欠です。
一方で「モヤモヤする」ということは、どこか、自分が余計に負担に感じていることがあるとか「自分だって休みたいのにズルい!」というような“不公平感”を感じているということでしょうか?
何か、「わかってほしいのに、妻にわかってもらえていない気持ち」があるということですね。それは具体的にどんな気持ちなのか、まずは自分で整理してみてください(後ほど、ケンカせずに夫婦で話し合うために必要な作業です)。
良好なコミュニケーションはシンプルな鉄則に従うことで、意外なほど簡単に確保できます。まずは、私が繰り返し提案している、相手の気持ちに自分から共感する「共感ファースト」を実践してみましょう。
「休みの日くらい、ゆっくりしたい」と言う妻に憑依して見ましょう。
1週間クタクタになるまで仕事と家事、育児をやりきって、ボロボロの心身になっている妻になりきった上で、とっちらかっているリビング・ルーム、山盛りの洗濯物、シンクの中の洗い物、子どもの学校のプリント、ソファーにだらしなく脱ぎ捨てられた、夫(つまり、あなた)の脱ぎっぱなしの靴下とシャツを目にしている脳内イメトレをしてください。
うるさいテレビの音、子どもの泣き声、スマホを見ながら爆笑している夫(つまり、あなた)の笑い声が、否応なしに鼓膜を刺激する不快な音を感じてみてください。
そして、「休みの日くらい、ゆっくりしたい」と思っている自分の気持ちにお構いなしで、休日を心待ちにしている子どもの笑顔に罪悪感を感じ、「疲れているから、休みたい」と言う希望を聞きいれないどころか、ダメ出しまでしかねない表情でこちらを見ている夫(つまり、あなた)に対して、心のそこから湧き上がる気持ちを、感じてみてください。
もちろん、あなたもこの1週間、クタクタになるまで働き、家事や育児にも懸命に取り組んできたことは想像に難くありません。でも、ここは、一旦ご自身の事情や気持ちはさておいて(なぜなら、あとで十分に妻から労いの言葉は返ってくるからです)、あなたが妻に「共感ファースト」するのです。
「そうだよね~。平日働きまくりで、疲れてるよね?お疲れ様!いつも、ありがとう!」
「久しぶりの休みだから、そりゃ、ゆっくりしたいよね!」
「例えば、どんな感じでゆっくりしたいの?イメージ教えて~。」
「何か私の方でお役に立てることは、ございますか?」
こんな言葉が、自然に出てくるように、リハーサルしてみませんか?そう、プレゼンや営業訪問の前に、イメージトレーニングしながら、どんな発言が相手の心に響くか、相手のニーズや課題を想像しながら、ドンピシャのキラーワードを探すように。夫婦は、「相互尊敬、相互信頼に基づく対等なパートナーシップでありたい」とアドラー心理学では考えますが、皆さんは、いかがでしょうか?
「先義後利」と言う言葉があるように、まずは、見返りを期待せずに相手のためにアクションを起こすと、結果的には後になって自分のところにも、ちゃんと利が返ってくると言うことです。騙されたと思って、お試しあれ。
もちろん、家庭だけではなく、職場でも実践していると、きっと良いことがたくさん起こりますよ!