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子どもの「口ごたえ」その裏側にあるものとは?

赤ちゃんの頃は、少しずつしゃべれるようになる度に嬉しかったものです。でも、気がつけば、どこで覚えたの?という言葉を使うようになり、一丁前に「口ごたえ」してくるとイラッとしちゃうこともありますよね。今回はそんな「口ごたえ」について。アドラー式子育ての熊野英一さんに「口ごたえ」する我が子に対してどうしたらいいのか伺いました。

赤ちゃんの頃は、少しずつしゃべれるようになる度に嬉しかったものです。でも、気がつけば、どこで覚えたの?という言葉を使うようになり、一丁前に「口ごたえ」してくるとイラッとしちゃうこともありますよね。今回はそんな「口ごたえ」について。アドラー式子育ての熊野英一さんに「口ごたえ」する我が子に対してどうしたらいいのか伺いました。

「口ごたえ」の目的はなんなのか?

パパコミ読者の皆さん、こんにちは。アドラー式子育てをお伝えしている、株式会社子育て支援 代表取締役の熊野です。

コロナ禍により、在宅勤務をするようになったり、夜の飲み会や出張が無くなったりして、家で家族と過ごす時間が増えた方も多いでしょう。子どもとの時間が増えるのは喜ばしいものですが、ずっと一緒にいれば、何かとイザコザが起きるのも不思議ではありません。

今回は、「子どもが、口ごたえをしてきた時、親としてどう対応したら良いか?」について考えてみたいと思います。

さて、「口ごたえ」と一口に言っても、それを発する子どもをよく観察してみると、言い換えるならば、子どものそうした行動の「目的」に注目してみると、2つのパターンがあることがわかります。

その「目的」によって対応は変わってくると思います。

ある程度の譲歩、事前の約束が効果的

まず一つ目のパターンは「状況を理解できていない、善悪の区別がついていない場合」です。

これは、その場の状況を理解できていないがゆえに、親に対して「口ごたえ」をするという「作戦」を選択して、自分なりの正義を主張し「自分の気持ちをわかってもらおう」という「目的」を達成しようとしているパターン。この場合、時間の流れや、この先の流れ・展開を読むことが、まだ年齢的に難しいことが背景にあると思います。

例えば、こんなシチュエーション。親子で公園に遊びに行った時のことを想像してください。

親としては「日が暮れてきた。そろそろ公園遊びは終わりにして、帰宅→お風呂→ご飯→就寝→早起き」と、次の日の朝のことまで先読みしながら「もうそろそろ帰ろうか」と「結論だけ」を子どもに伝えます。

ところが、子どもにとっては「今」がすべて。その先のことは考えられないのです。
「イヤだ!もっともっと遊びたい!」
「パパだって、いつもスマホでゲームとかやってるじゃん!」

今、サイコーに楽しい時間を過ごしている、という気持ちに共感して欲しいだけなのに、そうした共感を得られない悲しさが「口ごたえ」を選択させているのです。

こんな時は、こちらの正義を振りかざしたり、「口ごたえ」という作戦に乗っかって言い返したり、戦ったりすることに意味はありません。

まずは子どもの「今が楽しい!まだ遊びたい!」という気持ちに共感を示した上で、冷静に説得を続けるか、ある程度の譲歩(例えば「あと5分遊んでも良いがそれ以上の延長はなし」と約束する、など)をするしかないでしょう。

でも、一番良いのは、公園に行く前、遊び始める前に、何時になったら終わりにするかを話し合って、約束しておくことです。

否定するのは行動だけでいい

続いてはもう一つのパターン。「意図的に反抗的・復讐的な態度と言葉を繰り出してくる場合」です。

この場合、子どもは、善悪の区別もついており、状況もよく理解できている上で、あえて、親に対して「口ごたえ」したり、生意気な言動をしたりします。

例えば、「そんなことしちゃダメ!」と注意すればするほど、その行為(下の子をいじめるなど)をわざと、これ見よがしに続けようとします。あるいは、せっかくこちらが優しく「お風呂に入ろう!」と誘っているのに、「ママじゃなきゃイヤだ!パパなんかあっち行け!」と、わざとこちらを傷つけるような返答をしてくることもあるかもしれません。

「なぜ、そんなことをするのか?」と「原因」に注目しても、あまり意味はありません。

確かに、「さっきママに叱られた」「保育園でイヤなことがあった」「嫌いな食べ物を無理やり食べさせられた」など、おそらく、いくらでも「原因」を見つけることはできるでしょう。しかし、それは子どもの情緒が不安定であることの「解説」にこそなりますが、この後、どうやって穏やかな状況に戻り、いつもの素直で可愛らしい我が子に戻るのか、という「解決策」には結びつきにくいからです。

そんな時は、過去の原因に注目するよりも、あえて親に対して「口ごたえ」したり、生意気な言動をしたりするという行動の「目的」に注目するのです。答えはとてもシンプルです。

子どもは、親が上から目線でジャッジしてきたり、親の正義や価値観を押し付けてきたりせずに、子どもの気持ちもリスペクトし、共感的に関わって欲しい、ということを「わかってもらう」ことを「目的」として、わざとこうした言動を選択しています。

「なんで、いつも下の子ばかり、可愛がるの?もっと僕にも注目してよ!」
「パパは僕のことを傷つけた!どれくらい傷ついたかわからせるために、僕もパパを傷つけてやる!わかったか!」

そんな思いで、子どもはわざと、下の子をいじめたり、パパに復讐的な言動をしていると考えてみてください。

このことが理解できたら、私たち親が子どもにできることは明確です。まずは、子どもの気持ちにしっかりと共感し、その上で、行動について、してはいけないことだと伝えること。こちらの場合でも感情的に言い返すことはやめましょう。内容はともかく「口ごたえ」されると大人もイラッとすると思いますが、そこはいったん深呼吸してください。

また、わざと反抗したり、復讐的な態度でアピールするような不適切な行動を選択しないで済むように、いつも、子どもに共感的に関わることを意識することが予防にもつながります。このコラムで繰り返しお伝えしている「共感ファースト」の実践です。

自分の価値観や感情はいったん置いておいて、子どもの目で見て、子どもの耳で聞いて、子どもの気持ちで考えること。「なるほど、そういう理由でイライラしたんだね」という気持ちの理解です。

ただし、共感することと、同意することは異なります。「気持ちはわかるけど、やっちゃダメ」ということです。子どもの意見や行動全てに同意する必要はありません。でも、子どもがそのような行動を選択する背景にある「気持ち」に共感を示すことはできるはずです。

忙しかったり、疲れていたり、大人も余裕がないときはその部分をおざなりにしてしまうことがあると思います。でも、ここをはしょらずに、丁寧に子どもに接してみましょう。