
ある程度コミュニケーションが取れるようになると、子どもに対していろいろな質問をすることになります。しかし、その時に「わからない」と答えられることも多いですよね。たまにならいいけど、うちの子、やけに多くないか?と心配になることも。 Eテレ「すくすく子育て」でもおなじみの大阪教育大学、小崎先生!この「わからない」とたくさん答える子ってどうなんでしょうか?
子どもがしゃべれるようになると、そのこと自体が楽しくて色々と聞いてしまいますね。言葉によるやりとりができることは、コミュニケーションの大きな発達ですからね。
けれど残念ながら、パパが思うような答えが返ってきません。そして「わからない」というお返事が。
せっかくお話ししようと思っているパパにすれば、あらら…という感じかもしれませんが、まずは、この「わからない」という言葉の意味を少し考えてみましょう。
大きくは二つの意味があると思います。
・本当になにを言っていいのかが「わからない」
・あまり話したくなくて適当に「わからない」と言ってごまかしている
これらのタイプによりその後の対応などは変わりますね。
まずは、本当になにを言っていいのかが「わからない」の場合。
子どもと大人の言語能力の差は、パパが思う以上に大きなものがあります。
言語能力は、子どもの年齢や生活環境、個性やタイプなどによって大きな個人差があります。言葉を使うということは、その前提として、お話ができるという機能的な側面の発達、そして会話をするための語彙能力の獲得、話をしようという気持ちの部分の育ちなどが整って初めてできるものなのです。何気なくお話をしているようですが、そのこと自体はとても素晴らしいものであり、子どもの確実な育ちの現れです。
パパの質問や問いかけも、パパからすればなんてことはないものなのでしょうが、子どもにすればかなり難しいことなのかもしれません。
例えば「何の動物が好き?」という質問ですが、これに正確に答えるためには「動物の定義」ができ、その上で動物とそれ以外の区別がつく必要があります。同時に幾つかの動物の中で自分が気に入っているものを選ぶ必要があります。それらができて初めて「ゾウさん!」と答えられるのです。そう思うと、なかなかに会話で答えることは難しいですね。
そんな時は「ゾウさんとウサギさんと、キリンさんのどれが好き?」など、選択できるような聞き方をしてあげると良いでしょう。
次に、あまり話したくなくて適当に「わからない」と言ってごまかしている場合です。
問題はこちらです。パパとあんまりおしゃべりしたくなくて、その思いをうまく表現できないときに使うのでしょう。コミュニケーションをとっているようで、この答え方は全否定ですからね。
けれど落ち込まないでください。こんな時はパパが嫌いと言うよりは、今はお喋りしたくない!と言う思いの現れです。大人でもそんなときありますよね。
そんな時は決して問い詰めるようなことや、叱ったりする必要はないです。お話ししたくなればするでしょうし、またお話ししたくなるようなテーマや話題にしてあげて欲しいです。
どちらにしても、自分の思いをしっかりと言葉にできていること自体は、とても素敵なことです。お話ができないことに目を向けるのではなく、自分の気持ちを表現できているところに目を向けてあげてくださいね。