• 仕事・お金
  • ワーク・ライフ・バランス

育児で本当の”社会人”になる〜サイボウズ青野社長インタビュー【Part2】

一般的に “社長”というと、とにかくたくさん仕事をしていて、“子育て”とは縁がないような気がしますが、中には3回も育休を取った方もいるんです。それがサイボウズ株式会社の代表取締役社長、青野慶久さん。ただ、一口に育休と言っても期間や取り方なども様々。
青野社長がこれまでに取った3回の育休はどのような取り方だったのでしょうか?

一般的に “社長”というと、とにかくたくさん仕事をしていて、“子育て”とは縁がないような気がしますが、中には3回も育休を取った方もいるんです。それがサイボウズ株式会社の代表取締役社長、青野慶久さん。ただ、一口に育休と言っても期間や取り方なども様々。
青野社長がこれまでに取った3回の育休はどのような取り方だったのでしょうか?

3回取ってわかった育休の取り方

—青野さんは、育休を3回取っていますが、それぞれ取り方や期間は違ったのですか?
 
それぞれ全然違います。
まず1人目の長男は、シンプルに2週間まるまる育休を取りました。これはまったく仕事ができないので辛かったです。最初は1日のうち数時間は仕事をするつもりでしたが、その余裕もなくて、気分転換もできなかった。
 
その経験を活かして2人目は、半年間、毎週水曜日を育休に充てました。これは、自分が会社に行く日を妻に任せて、水曜日と土日を自分が担当するというシステムです。
 
育休の取り方については夫婦で話し合って決めました。3人目はそこで妻がひらめいたみたいで、毎日午後4時帰りを半年間という取り方を提案されて、その通りにしました。
 
言ってみれば“時短勤務”ですよね。これ、本当にオススメです。妻に一番ウケがよかった。
 
3回取ってやっと取り方がわかった感じですね。

午後4時帰り育休がオススメな理由


 
—奥さまはなぜ午後4時帰りがよかったのでしょうか?
 
まず、産まれたばかりの赤ちゃんはどうしても妻がみることになるわけですが、そうなると、必然的にお兄ちゃん二人の面倒をみないといけない。午後4時帰りだと二人の保育園の送りだけでなく迎えまでできて、妻は赤ちゃんに集中できる環境になります。
 
それに子どもはいつ熱をだすかわかりません。1か月2か月育休を取ったとしても、育休が終わった後で熱を出してしまったら役に立つことができません。
それよりも短時間を1年続けてもらったほうが妻にとってはいいんです。何せ毎日夕方から戦力になるんですから。
 
また、ずっと休むのは休んでいる方もしんどいところがあります。1回目の育休の時がまさにそうでしたが、気分転換もできません。
 
仕事も、一度完全に抜けないといけないから、ちゃんと後任に引き継ぎをする必要があります。ところが、短時間勤務の場合、それをしなくて済みます。そうなるともちろん復帰もしやすい、というか復帰という感じではないですよね。
 
妻に提案されて、なるほど!という感じでした。
 
実際に仕事をする上では、午後4時帰りとなると仕事時間としては半分くらいになってしまうわけで辛かった部分もありました。
 
ところが意外なことに、この取り方は社内にも評判が良かったんです。
 
午後4時になると僕が帰ってしまうので、重要な会議が全て午後4時までに終わるのです。そうなると、もともと短時間勤務をしていた人もみんな参加できるというメリットがありました。おかげで、フルタイムで復帰したら、社員からは「えーっ」て言われました(苦笑)。

“会社人”でなく“社会人”になれ


 
—今、社員のお話も出ましたが、青野さんは以前から「100人いれば100通りの働き方が
ある」とおっしゃっていて、社内でも様々な働き方ができる環境を作っていますが、次の世代を担う男性に伝えたいことはなんですか?
 
そうですね。まず、子育てには関わったほうがいいということですね。
 
会社で触れることや学べることってとても範囲が限られていると感じています。だから学校を卒業して、企業に就職しても“社会人”になるというより“会社人”になるという感じですよね。
 
だけど、家事や子育てに関わると、例えば病院に行く、学校に行く、自治体に行く、スーパーに行く、といった今まで触れなかったものに触れて、いろいろなことを知ることができると思うんです。
僕の中ではこれが“会社人”から“社会人”へのシフト。
 
もっと世の中に触れて、初めて社会を知って、そこからが本当の意味での“社会人”なんじゃないでしょうか?
 
視点の高さとか知識の幅とかが格段に上がると感じるし、それを持たないで“会社人”を続けてもいいのでしょうか?“社会人”になっておいたほうがレベルの高い仕事ができると思います。
 
そこが伝えたいところですね。
 
経営者でありながら育休を取るだけでも時代に合わせたフットワークの軽さがうかがえますが、その育休にもバリエーションがあることには驚きです。そして、その柔軟さを活かした後進への指導もまた素晴らしいと感じました。最終回となる次回は青野さんの家族への思いに迫ります!
 
 
<青野慶久>
1971年愛媛県今治市生まれ、松下電工に勤務したのち、1997年にグループウェアの開発・販売・運用をするサイボウズ株式会社の創業に関わる。
2005年より代表取締役社長に就任。2010年長男が6か月の時に一部上場企業の社長でありながら、育休宣言をしたことが話題に。現在は妻とともに三人の子育てに奮闘しながら実業家として活躍中。
https://cybozu.co.jp/