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家族とトモに食事をする大切さ〜パパ料理研究家・滝村雅晴インタビュー

パパコミでいつも素敵な料理を教えてくれる滝村雅晴さん。日本で、いや、世界で唯一のパパ料理研究家として活躍する滝村さんが目指す社会とは?

パパコミでいつも素敵な料理を教えてくれる滝村雅晴さん。日本で、いや、世界で唯一のパパ料理研究家として活躍する滝村さんが目指す社会とは?

独身時代はまったく料理をしていなかったのですが、2003年に長女が生まれて料理をはじめました。好きなときに好きな物を作って、しかもおいしい!なんて素晴らしい!と思っていたのですが、ある日、どうやらこれは、家族が本当に喜ぶ料理ではないということに気づいたんです。
 
自分が食べたいときに自分が食べたいものを作り、しかも作りっぱなしで片付けもしない、それは“男の料理”。家族のためであるならば、家族がおなかをすかせたときに家族が食べたいものを作る、しかも片付けまでちゃんとやる。これこそがパパとしてするべき料理“パパ料理”なのではないかと。
 
そしてパパ料理研究家として活動をスタートし、全国で講師としてパパの料理教室、親子の料理教室をやったりと、2014年に立ち上げた日本パパ料理協会の仲間とパパ料理を広める活動をしてきたところいくつか課題が見えてきました。
 
ひとつは、こういった料理教室をすると、その場では盛り上がって楽しい時間を過ごせるのですが、結局その日楽しいイベントで終わってしまって家ではあまり料理をしないという人が結構いたのです。
 
そこで、本来の目的は日常的な料理をする人を増やしたいので、単発ではなく連続的なパパ料理の教室「パパの料理塾」を作りました。そこでは作り方を教えるだけでなく、家で復習料理をして報告をすることを必ずしていて、料理をイベントではなく日々のものにするきっかけを作ることを意識しています。
 
しかし、まだまだ課題はあります。イベントも塾も、その場所に行かないとできないこと。全国各地で開催するのはちょっと難しいので、アプリで学べるように仲間とともに音声認識機能を使い、手で操作することなく料理をすることができる料理教室アプリ「FamCook」を作りました。
 

家族で一緒にごはんを食べよう!トモショクProject発進!


 
男性の家事育児参画に対して世間の関心が高まる中、活動のやり方や幅は広がってきましたが、その根本となるところにもまだ課題はあります。
 
そもそもパパが料理をするかどうか以前に、パパが一緒にごはんを食べることすら意識していない人が多いことです。日常的に仕事が遅いパパも多いと思いますが、食卓にパパがいないことは決して当たり前ではないし、当たり前になってはいけないと思います。
 
とくに子どもの孤食(一人でごはんを食べること)も社会問題になっていますが、文部科学省のデータによると、家族など複数でごはんを食べることで、問題行動が減ったり、野菜の摂取量が多くなるという結果があって、心もカラダも健康にいい影響があるということです。
 
ただ、そういうデータだけでなく、食事をするときは大切な家族のコミュニケーションの場でもあるし、絆を育むことに繋がっていることだと感じています。
 
そのことにもっと気づいてもらうために立ち上げたのが“共に料理を食べること=トモショク”を推奨する「トモショクProject」です。
 
このプロジェクトではパパ料理の活動では届かなかった、料理はもちろん家族でのごはんに対して意識していなかったパパたちに気づいてもらうために、企業や自治体を含めた社会全体を動かしていきたいと考えています。
 
働き方改革や生き方のダイバーシティ、女性の社会進出、育休義務化などが議論されているこのタイミングは、パパが家で家族と過ごすことへの追い風が吹いていると感じています。そんな今だからこそ、個人や企業、団体、自治体がそれぞれ家族と一緒に食事をする時間を大切にすることを発信する「トモショク宣言」を多くの人たちにしてもらいたいのです。
 
これまで、仕事が忙しくて家でごはんを食べたいと思っていても出来なかったパパも、自分が働いている企業がトモショク宣言をして理解を示してくれたら実現に向けて行動しやすくなります。
 
たくさんの家族が一緒にごはんを食べる時間を作ることできっと素敵な家族が増えるはず。そして、そんな家族を通じて、虐待や育児放棄、ひきこもりなど今起こっている家族の社会問題への解決に繋がるのではないか、とも感じています。

8歳で旅立った長女への思い


 
そして、こういうことにはできるだけ早く気づいて欲しいのです。なぜなら、家族で一緒にごはんを食べることができる時間には限りがあるからです。
 
子どもたちは成長し、年齢を重ねる中で社会とのつながりが増えていくので、一緒に過ごす時間は少なくなっていきます。つまり子どもが巣立っていく前にあと何回食べられるかわからないのです。
 
不慮の事態で、一緒にいられなくなることもあります。
 
2012年1月。自分に料理を始めるきっかけをくれた長女は8歳で天国へ旅立ちました。ずっと一緒にごはんを食べられると思っていたのに、まさかこんなに早く終わりが来るなんて思ってもいませんでした。
 
自分が、妻が、同じように体調を崩すことだって十分に考えられます。それに気づいて欲しいのです。
 
もう一度言います。家族で一緒にごはんを食べられる時間には限りがあるのです。
 
当たり前のことだけど、それが意識されていないのが、社会が目先の生産性を求めて進んできた今です。
 
共に食事をしましょう。
 

 
トモショクProject公式HP
http://tomoshoku.jp/
※キックオフシンポジウムは2019年6月25日(火)に行われます