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価値観は“押しつけ”でも構わない〜大阪教育大学・小崎准教授インタビュー【Part2】

兵庫県西宮市で初めての男性保育士であり、数々のメディアでも保育に関する情報を発信している小崎先生。保育士を経て今では後進の指導に当たっている小崎さんが、これからの保育士を目指す人たちや今の親たちに伝えたいこととはどんなものなんでしょうか?

兵庫県西宮市で初めての男性保育士であり、数々のメディアでも保育に関する情報を発信している小崎先生。保育士を経て今では後進の指導に当たっている小崎さんが、これからの保育士を目指す人たちや今の親たちに伝えたいこととはどんなものなんでしょうか?

“育てる人”に大切なものとは


 
—今は、大阪教育大学で教鞭を取っている小崎先生。教えている中で伝えたい事はどんなことですか?
 
一番大事だと感じていることは“育てる”という立場にある人は、“私は保育を通じてこういうことを教えたい”という“理念”を持たないといけないということ。

例えば自分が伝えたい事は、2つだけ。

  1. 人は信頼に足る生き物である
  2. 人生はむちゃくちゃ楽しい

自分の指導や授業を通じて、そう思ってくれたらうれしいと思っています。やっぱり教えるとなると、自分が何を伝えたいかが明確でないとできないのではないかと思います。
 
そしてこれは子育てにおける親にも通じるものです。
 
親自身が「自分はこう思う」ということを明確に持つことが大切だと感じています。例えそれがある意味「押しつけ」と思われても構わないんじゃないでしょうか?ただし、その価値観を受け入れるか?反発するか?というところは子どもの自由で、そこは全部親の言うことを聞かないとダメ!という風にはしていけないところだと思います。こういう考え方の軸がないと子どもは迷ったり、悩んだりすることも出来ない。その方がよほどしんどいと思います。
 
親が出来ることは“環境の整備と提案”しかないと思っていて、その中で子どもたちに“選べる力を身につけさせること”が大切だと思います。

あなたの選ぶ物が一番で本当にいいのか?


 
−保育の現場でみていて、親たちについて気になることはありますか?
 
ちょっと子どもたちの扱いが丁寧すぎるように感じますね。もちろん丁寧なのは大事なんですけど、もっと極端な言い方をするとまるで“迎合している”というか、気を遣いすぎというか、ものわかりが良すぎるというか。
 
例えば、子どもが何かを判断する時でも、「あなたの好きなものを選びなさい」「あなたの選んだものならなんでもいい」「あなたの選んだものこそが素晴らしい」という反応をする親が多く感じます。
 
これはさすがに任せすぎなんじゃないかと思います。
 
子どもたちだって迷うことはあるし、悩むことがあって、その時になって親に相談するわけです。その時にこう返されたら“肩すかし”をくらったような格好になるわけです。
 
反発されるのが怖いからかも知れないですけど、ご機嫌を取るように「好きなものを選びなさい」と言うのに、その後でうまくいかないと「あなたが選んだんでしょ?」と自己責任を追及する。これはもう判断能力がまだまだ足りない子どもたちにとっては残酷なことですよ。
 
ここは“こうしなさい”という指示をするのではなく、あくまで意見として自分の価値観を伝えることは必要。もちろん、自分で意見を言うことには責任も伴いますけど、そのくらいの覚悟はあってしかるべきでしょう。
 
親も保育士も、やはり育てるということには覚悟が必要なんだと思います。
 
ぜひ一度、そこは意識して欲しいと思います。