
ドアノブが壊れて、トイレのドアが開かなくなってしまった……。想像しただけで、怖くなってしまうシチュエーションですよね。中には、小さな子どもが間違って鍵をかけてしまい、トイレに閉じ込められるケースもあるようです。大切な家族をそんな目に遭わせないためにも、今回は“トイレの閉じ込め予防”について考えてみたいと思います。
まずは、子どもが間違って鍵をかけてしまった場合について、対処法を紹介したいと思います。
これは、子どもがいる家庭の“あるある案件”で、カチャカチャと音を立てる鍵は、たまらなく興味を引くようです。といっても、外側から「鍵を開けて」と言っても、子どもにはなかなか伝わりません。時にはパニックになってしまい、話を聞くことすらできなくなることも。
そんな時には、慌てずにドアノブの近くを探してみてください。一般的にトイレのドアには「非常開錠機構」とよばれる機能があります。マイナスネジの頭のように、一本線の凹みがあったら、そこに硬貨などを挿し込み、ねじることで鍵が開けられます。
では、ドアノブが壊れて、ドアが開かなくなった場合は、どうすればいいのでしょうか? この時は、家にあるちょっとした道具を使うことで、外側から開けることが可能な場合があります。
近年では具合が悪くなった人がトイレ内で倒れたとき、外側から素早く救出できるようにと、ドアを外開きにするのが主流です。
外開きのドアではラッチボルト――ドアノブを操作すると、ドアの内側に引っ込む金具が、上の写真のような山型にカットされています。この形が“閉じ込められたトイレから救出”するためのポイントとなるので、良く覚えておいてください。
ドアノブが動かない、あるいは動かしてもドアが開かないときには、針金ハンガーのフックの部分を、ドアとドア枠の間に挿し込んでみてください。そのままフックを手前に引けば、ラッチボルトの山型の部分に力が加わり、ドアの内側へと押し込まれます。つまり、ドアノブが壊れても、ラッチボルトが動く状態であれば、ドアを開けることは可能なのです。
では、自分や子どもがトイレの中にいて、家にほかの家族が誰もいない場合、どうすればいいのでしょうか? 試しに、ハンガーのフックを挿し込もうとしましたが、隙間が狭すぎて入りません。そもそも、ドア枠に一つ段があるので、垂直方向に何かを挿し込むことは不可能でした。
つまり、隙間を通ってラッチボルトにアクセスするには、隙間の中でL字に曲がる必要があります。それも、1mmほどの狭い隙間の中で……。さらに、ラッチボルトの山型の部分を押して、ドア内に引っ込ませるには、ある程度の強度も必要です。
薄くて、曲がって、固いもの。家の中で色々探してみましたが、テレホンカードやクリアファイル、名刺などが、ちょうど良い感じでした。これを隙間に挿し込み、ジワジワと押していくと、ラッチボルトがドアの内側に引っ込みます。ただ、ドア枠側でラッチボルトとかみ合う金具の周辺には段差があるので、ここを超えるために、テレホンカードなどを上下に動かしながら、ジワジワと進めていくのがポイントです。
ドアノブと周辺金具の寿命は一般に10年程度と言われています。ある程度の年数が経っている家では、万が一に備えて、テレホンカードなどをトイレに備えておくと良さそうです。
とはいえ、備えを忘れていたり、誰かのお宅を訪ねたときにトラブルに遭ったりするケースもあるかもしれません。そんな時に使えるものとして、最近ネットで話題になったのが「トイレットペーパーの芯」です。これをバラして、ドアの隙間に挿し込んでいくと……。
トイレットペーパーの芯にシワが寄って、これ以上は隙間に入っていかなくなりました……。どうやら縦が短い部分を使ったので、強度が足りなかったようです。シワが寄った部分を切って、再チャレンジすると、無事にドアが開きました。
ちなみに、シワが寄ったところでドアを開けてみると、トイレットペーパーの芯が金具の隙間に入り込んでいました。一度シワが寄ってしまうと、ラッチボルトまでたどり着きにくくなるので、丈夫な部分があるうちに脱出しましょう。
ただし、鍵やハンドルが固まるとラッチボルトが固定されるドアもあり、これらの方法では開けられない恐れがあります。
そこで、普段からトイレのドアには鍵を掛けないからと、ラッチボルトとかみ合う部分にテープを貼って、常にドアが開けられる状態にしているお宅もあるようです。ドアを閉めるとラッチボルトが常に押し込まれた状態になるので、非常開錠機構への負荷が気になりますが、閉じ込め予防という面では一番確実かもしれません。
鍵やドアノブがガタついたり、動作が不安定になったりしたときは、まずは修理を行うことをおすすめします。その上で、万が一に備えた対策を用意してみてはいかがでしょうか。