
せっかく寝かしつけたと思ったのに、赤ちゃんを布団に降ろしたらまた目を覚まして泣き出してしまうことは、きっと多くのパパやママが経験していることでしょう。まるで背中に目が覚めるスイッチがあるみたいなので、「背中スイッチ」と呼ばれるこの現象、どうにかならないのでしょうか?今回は、助産師で特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュの宮川めぐみさんに対策を伺いました!
私のところにも「背中スイッチ」の相談はよくあります。確かに、赤ちゃんを布団に降ろした時の振動で起きてしまうこともあるようですが、振動を伝えないように慎重に、そうっと降ろした時でも失敗することはあります。
その原因は、はっきりとわかっているわけではありませんが、対策はそうっと降ろすことではなさそうです。
赤ちゃんはとても繊細で、眠りが浅いときはちょっとした振動だけでなく、自分の泣き声で起きてしまうこともあります。そして、布団に降ろされることについては、どうやら「パパやママから離れてしまう」という異変に気づくことが、起きてしまう原因のひとつのようです。
安心して眠りについた体勢から、急に環境が変わると起きてしまうのは大人でも同じですよね。
赤ちゃんを布団に降ろすときに変わるのは2つ。
まず一つ目のポイントは胸。布団に降ろすとき、それまでパパやママに密着していた胸の部分が離れますよね。これで「いなくなる」と気づいてしまうケースがあるようです。
もう一つは足の付け根の部分。抱っこで寝かせているときに、赤ちゃんの足は丸まっている状態にありますが、それが布団に降ろすときに伸びてしまうことが多いです。
つまり、背中よりも胸と足の状態が重要で、スイッチはそっちにあると考えられます。
まずは、胸についての対策。例えば、布団に降ろしながら赤ちゃんの胸のところに手の重みを感じる程度に置いてみてください。
また、なるべくパパやママと赤ちゃんの体が離れないようにすることももちろん有効です。体から離して降ろすのではなく、一緒に添い寝するように布団に入ったり、赤ちゃんを抱っこしたまま仰向けに横になり、赤ちゃんを上に載せるような形で布団に入ったりするのもありだと思います。
このとき、足も含めて赤ちゃんの体勢があまり変わらないようにしてあげるようにすると、成功しやすいです。
もう一つ大事なことは、どんな方法を使うにしてもできる限り時間をかけてゆっくりとすることです。先ほども言いましたが、赤ちゃんはとても繊細で身の回りの異変に気づきやすいからです。
抱っこで眠ったときもすぐには降ろさない方がいいでしょう。また、降ろすときも時間をかけてゆっくり。そして上手に布団に降ろすことができても、できれば深く眠るまで10~15分くらいは離れないようにしてください。
なかなか寝付かないとイライラすることもあると思いますが、パパやママの気持ちは赤ちゃんに伝わってしまいます。そういう時はいったん深呼吸をして、心を落ち着かせるようにしてください。
気持ちを落ち着けることで、より赤ちゃんは安心感を感じて眠りにつきやすくなると思います。なかなか寝付いてくれない時、とてもその時間が長く感じると思いますが、ずっと続くことではありません。いつしかきっといい思い出になると思いますので、長い目で見てあげてください。