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全治1か月!?パパにも知って欲しい!産褥期(さんじょくき)のリアル

出産後、体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を指す産褥期(さんじょくき)。この期間のママの体のことについて、パパは知る機会が少ないのが現状です。そこで今回は、すべての母が自らの力を発揮できる社会を目指して、産後ケア普及の活動をしているNPO法人マドレボニータのファウンダー、吉岡マコさんに教えていただきました。

出産後、体が妊娠前の状態に戻るまでの期間を指す産褥期(さんじょくき)。この期間のママの体のことについて、パパは知る機会が少ないのが現状です。そこで今回は、すべての母が自らの力を発揮できる社会を目指して、産後ケア普及の活動をしているNPO法人マドレボニータのファウンダー、吉岡マコさんに教えていただきました。

イメージとしては「全治1か月」

まず、産褥期についてわかりやすく説明するとどのような状態なのでしょうか?

吉岡「産褥期について説明するときによく使う表現が『全治1か月』です。ちょっと極端な表現のようにも感じられるかもしれませんが、産後の女性の体はそれほどの状態なのです。

妊娠中の女性のお腹の中には赤ちゃんを育むために作られる『胎盤(たいばん)』という臓器があります。子宮に貼りついていた胎盤は、出産が終わると、その役割を終えて体内から排出されます。
この時、子宮からはがれるので、子宮には大きな傷がつきます。そして、しばらくは出血が続きます。

それだけ内臓が傷ついている状態ですから、できるだけ安静にして回復させる必要があるということです。

その他にも体に様々な変化があります、出産するために骨盤は開き、股関節などは緩い状態になっています。そのため、歩いたり走ったりすることが困難で、ジャンプはまずできません。

産褥期の期間には個人差がありますが、おおむね8週くらいと言われています。経験からすると、そのうち4週ほどはゆっくり休み体を回復させて、そこから少しずつ動き始めて行くと、元の生活にうまく戻っていけるように感じています」

休んだ方がいいのはわかっているけど…

精神的にはどのような状態なのでしょうか?

吉岡「これだけ体がボロボロな状態なら休めばいいと、客観的に感じる人もいると思います。

しかし、実際には休むことができない女性がたくさんいます。子育てをする環境も原因となりますが、女性自身の精神的なものもあります。

まず、出産という大きなことを達成したことで、女性はある種ハイになっている状態になります。同時に、『ちゃんと子育てをしなくちゃ!』という責任感もうまれます。ところが、体はダメージを負っているので、思うように動きません。ここで心と体のギャップがうまれやすく、もどかしく感じる人が多いです。

しかも、出産直後の子育ては子どもを産んだ多くの女性がやっていることなので、『自分にもできるはず』と思いこんでいて、思うようにできない自分に対して、余計にイライラしたり、落ち込んだりしがち。

それを払しょくするためにも、無理をしてでも家事をするなど体を動かしてしまい、ますます回復しない状態が続いてしまうのです。

人によっては、産褥期でも体の状態がそれほど落ち込まず、出産前とそれほど変わらない生活をしている人もいますが、みんなができることではありません。そして、できないことが決して劣っているということでもありません。

また、このような心と体の状態に、女性自身が気づいていないケースもよく聞きます。だからこそ、パートナーをはじめとする周囲の人たちが、積極的に関わって休ませてあげることがとても大事です」

パートナーができることとは?

具体的に体を休ませるためにはどうすればいいのでしょうか?

吉岡「もちろん、産まれたばかりの赤ちゃんのお世話があるので、完全に休むことはできません。家事や育児についてはパートナーや家族などの協力はもちろんのこと、ベビーシッターや、家事代行、食材配達など家事や育児の負担を軽減してくれる外部のサービスを利用することも含めて、産後のサポート体制が必要です。この辺りは、産まれた後に整えるのが大変なので、状況に応じて家事の分担やどんなサービスを利用するかなど、出産前に話し合って決めておくように心がけたほうがいいでしょう。

また、何より大切だと感じるのは、産後の女性が抱えている心と体の悩みを言うことができる環境づくりです。

産後に起こる変化の中には、腱鞘炎や肩こり、膝痛といった周囲から理解を得やすいものもあれば、授乳の際に乳頭が切れることや尿漏れ、痔など、理解されにくく、また非常に開示しづらいこともあるのです。

必ずしも悩みを全てパートナーなどに伝える必要はありませんが、やはり伝えることでサポートがしやすくなることや、精神的に楽になることも考えられます。パートナーをはじめ周囲の人たちは、出産前からとにかく話を聞くことを増やし、体調が悪い、体が痛いなど状況を伝えやすい環境を作るように心がけてください。また、産褥期の女性の体やメンタルについての知識を得るようにして、状況を理解した上で受け止める準備をしておいてほしいです」

産後の女性に「大丈夫」と言われたら、近くにいる人たちも「そうなんだ」と感じてしまうことが多いと思います。しかし、実際は無理をしているケースも多いということなので、注意深く見守っていくことを心がけましょう。

マドレボニータでは、妊娠中から産後にかけての過ごし方をまとめたリーフレットを作成し配布しています。コチラからダウンロードできますので、ぜひご利用ください。